2000万円の家

注文住宅を建てるのに、必要な予算はどのぐらいなのでしょうか。
収入や貯蓄、住宅ローンの返済額から大体の予算を考えてみても、本当にその金額で家が建つのか、希望の間取りは実現可能かなどの不安はつきません。
家づくりのための予算として、2000万円程度を目安に考えているという人は多いです。

 

では、2000万円の予算で注文住宅を建てた場合、どんな家を建てることができるのでしょうか?また、工務店やハウスメーカー選びはどのように行ったら良いのでしょうか。

 

予算の考えから

まず具体的な家のイメージを考える前に、予算についてもう一度考えてみましょう。

 

住宅を購入する場合、予算は全体の金額ではなく月の住宅ローンがいくらになるかという視点で考えることをおすすめします。
トータルでいくらという考え方では、実際に返済していく時の負担がわかりにくく、無理なローンを組んでしまう危険性が高まります。
住宅ローンの返済では、毎月一定額を何年もの間払い続けることになります。生活への影響も大きいです。

 

目安としては、現在の家賃と同じぐらいか、やや少ない程度がおすすめです。これならば新居に移っても出費における住居にかかる費用が変わらないため、やりくりもしやすいです。
家賃より少し安い方がいいのは、持ち家の場合住宅のメンテナンスも自分で行わなければならないためです。急なトラブルに遭遇した時も余裕を持って対応できるようにしましょう。

 

2000万円の住宅ローン

住宅ローンで2000万円借りた場合、毎月の支払い額はいくらになるのでしょうか。

 

・借入額:2000万円(住宅費の100%をローンでまかなうとする)
・金利:年1.8%
・期間:35年

 

この場合、毎月の返済額は6.5万円になります。
金利は、住宅購入金額に対するローンの占める割合が低くなったり、返済期間を短くしたりすればもう少し低くすることができます。

 

さて、一般的には住宅ローンの返済額は年収の20%から30%程度に抑えるべきだとされています。月の返済額が6.5万円だとすると、1年間で78万円です。そこから年収を考えると、2000万円の住宅ローンを組むためには260万円から390万円の年収が必要だということがわかります。

 

2000万円の住宅

2000万円の内に土地価格を含めない場合でも、予算のすべてを建物にかけることはできません。
家を建てる際は、建物以外にも外構や電気・水道の工事費用や、各種登録申請費用など様々な出費が発生します。一般的に、こうした諸費用は総費用の2割程度を占めることになります。
全体の予算が2000万円とすると、建物にかけられるのは1800万円となります。

 

建物価格1800万円の住宅の場合、広さは35坪前後、間取りとしては2LDKから3LDKの住宅になります。4LDKも不可能ではありませんが各部屋が非常に狭くなり、また建物の面積のうち亀の占める面積が多くなってしまうのであまり部屋数を増やすのはおすすめしません。
35坪というのは注文住宅の広さとしては一般的で、需要も実例も豊富にある大きさです。間取りの工夫やバリエーションもたくさんあります。工夫したいでは広々としたリビングや収納も十分実現可能です。

 

ただ、予算にはあまり余裕がないため「こだわりのマイホーム」を実現するのはなかなか難しいです。限られた予算で住宅を建てる場合、重視するポイントを決め、そのコンセプトに合わせた家づくりが大切です。
予算にあまり余裕がない場合、デザインや見た目よりも、家の機能性を重視するのが良いでしょう。断熱性や気密性は住宅の快適さや光熱費に強く関わる部分となるため、予算を気にして妥協するのはあまりおすすめしません。メンテナンスのしやすさは、維持しやすいことも大切です。
節約したつもりが、長い目で見るとかえって出費が多くなってしまったということがないようにしましょう。

 

 

 

2000万円より少し予算の余裕がある場合は、ごく普通の家にプラスアルファした家づくりが可能です。開放的な広いリビングにしたり、便利なオプションをつけたり、浴室のランクを一つあげてみたり……
部屋数を増やして、4LDKの間取りにするのも無理がなくなります。

 

坪単価と家の広さ

坪単価を利用して、予算から建てられる家の広さを考えることもできます。

 

ハウスメーカーや工務店の一般的な坪単価はおおよそ70万円から80万円です。
坪単価が70万円だとすると、2000万円の予算で建てられる家の広さは約29坪となります。平方メートルで考えると約94uとなります。
新築注文住宅の平均的な広さが35坪から40坪ですから、それよりはやや狭いです。

 

もっと広い家が建てたい場合は、坪単価が70万円よりも低いところを探すようにしましょう。

 

土地購入費と予算

2000万円の予算で、住宅だけでなく土地も購入する場合、当然住宅にかけられる金額はもっと少なくなります。

 

土地の価格が700万円なら残りは1300万円。諸費用が2割とすると建物にかけられるのは1040万円です。これが土地800万円となると建物に割くことのできる予算は1000万円を切ります。
土地購入費も含めて2000万円で考える場合、土地の価格次第でどんな家が建てられるのかが大きく変わります。

 

満足のできる住宅を建てるには、上手な土地探し・土地選びが非常に重要になります。

 

ハウスメーカーと工務店

注文住宅を建てる際に最も悩む問題の一つが、ハウスメーカーに依頼するか、工務店に依頼するかという問題です。

 

坪単価で考えた場合、ハウスメーカーでは60万円から80万円程度、工務店では45万円からとなっています。坪単価だけで考えるのであれば、工務店の方が有利です。

 

しかしこれはあくまでも傾向でしかなく、高価格の工務店もあれば、低価格の家づくりを得意としているハウスメーカーもあります。
価格以外でも、ハウスメーカー・工務店それぞれに得意・不得意があるため一概にどちらに頼むのが良いとはいえません。

 

ハウスメーカーと工務店のどちらかに絞るのではなく、それぞれの得意分野を見ながら広い視野で依頼先選びをすることが大切です。
一括見積もりサービスなどを活用し、予算にあった家づくりが可能なハウスメーカー・工務店の見積もりを比較してみるのが良いでしょう。

 

2000万円の家づくり

予算が2000万円あれば平均的な住宅を建てるには十分です。豪華なこだわりの一軒家は難しくても、快適で住みやすい家を建てることができます。大切なのは、計画的に家づくりをすすめていくことです。

 

どんな家を建てるか考え始める前に、まずは契約している予算が本当に無理のないものなのかを確認しましょう。全体の金額ではなく、毎月住宅ローンとしていくら返済をしていかなくてはならなくなるのか、という視点で考えることが大切です。

 

また、予算が2000万円あるからといっても、すべて住宅にかけられるとは限りません。土地を購入する場合、住宅にさける予算はもっと少なくなるでしょう。また、土地購入費を考えない場合でも、建物以外に諸費用かかかることを忘れてはいけません。

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